DENTAL BLOG きらり大森歯科ブログ

インプラント治療を検討している方にとって、「どれくらいもつのか？」は非常に気になるポイントではないでしょうか。一般的に、インプラントの寿命は10年から30年とされていますが、実際にはメンテナンスや生活習慣によって大きく変わります。たとえば、適切なケアを行った場合、インプラントの生存率は10年で90％、15年で85％と高い数値を維持できます。しかし、メンテナンスを怠ると、早期に脱落するリスクが高まります。

インプラントの平均費用は高額なため、「できるだけ長持ちさせたい」と考えるのは当然のことです。しかし、適切なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などのトラブルが発生し、再治療や再手術が必要になるケースもあります。

この記事では、インプラントの一般的な寿命の目安、長持ちさせるためのポイント、後悔しないための知識を詳しく解説します。また、老後までインプラントを維持するためのケアや、交換が必要になった場合の費用・対応策についても触れていきます。大切なインプラントを少しでも長く快適に使うために、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントはどれくらいもつ？寿命の目安と実際のデータ

一般的なインプラントの寿命と耐用年数

インプラント治療は、失った歯を補うための先進的な歯科治療であり、その寿命の長さが治療を選択する際の重要なポイントとなります。一般的にインプラントの寿命は10年から30年とされていますが、患者の生活習慣や口腔ケア、治療を受けた歯科医院の技術によって大きく変動します。日本口腔インプラント学会の調査によると、10年後のインプラントの生存率は90％を超え、15年後でも約80％の成功率が報告されています。これは、適切なケアを行うことで長期間の使用が可能であることを示しています。

インプラントの寿命と、ほかの歯科治療法の平均寿命を比較すると、インプラントの優位性がよくわかります。例えば、ブリッジ治療は7〜15年、入れ歯は5〜10年の耐用年数が一般的とされています。これに対し、インプラントは10〜30年と長持ちするケースが多く、適切なケアを行えば一生涯使用することも可能とされています。以下に、各治療法の寿命をまとめました。

治療法	平均寿命	特徴
インプラント	10～30年	適切なケアで長持ちし、咀嚼機能が高い
ブリッジ	7～15年	支台歯の影響を受けやすく、虫歯リスクが高まる
入れ歯	5～10年	咀嚼機能が低く、定期的な調整が必要

インプラントの寿命を左右する要因

インプラントの寿命に大きな影響を与えるのが、患者の生活習慣とメンテナンスです。特に、喫煙はインプラントの生存率を低下させる大きな要因となります。タバコに含まれるニコチンが血流を妨げ、骨の治癒を遅らせるため、インプラントと骨がしっかり結合しない可能性があるのです。また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、インプラントに過度な負担がかかり、寿命が短くなることが考えられます。こうした場合は、ナイトガード（マウスピース）を使用することで負担を軽減し、インプラントを長持ちさせる工夫が必要になります。

加えて、全身の健康状態もインプラントの持続性に影響を与えます。例えば、糖尿病や骨粗鬆症といった疾患を抱えている場合、骨の治癒能力が低下し、インプラントの定着が難しくなるケースがあります。そのため、インプラント治療を検討する際には、歯科医と内科医の連携のもとで適切な治療計画を立てることが推奨されます。

以下に、インプラントの寿命を左右する主な要因をまとめました。

要因	影響
口腔衛生	不適切なケアはインプラント周囲炎のリスクを高める
喫煙	血流を妨げ、骨との結合を阻害
歯ぎしり・食いしばり	インプラントに過度な負担をかける
全身疾患	治癒力の低下により生存率が低くなる
メンテナンスの有無	定期検診の受診が寿命を左右する

インプラントの後悔の理由と対策

インプラント治療のよくある後悔の原因

インプラント治療は、失った歯を補うための先進的な治療法ですが、一部の患者が「やらなきゃよかった」と感じることもあります。その原因として最も多いのが、治療に関する十分な情報が得られないまま決断してしまうケースです。インプラントはブリッジや入れ歯と比べて高額であり、手術が必要となるため、事前の理解が不十分だと期待とのギャップにより後悔を生じやすくなります。

特に、治療後に痛みや違和感を感じること、思っていたよりも費用がかかったこと、インプラント周囲炎などのトラブルが発生したことが後悔の主な要因とされています。また、メンテナンスを怠ることで、インプラントの寿命が短くなるケースもあります。これらの後悔を防ぐためには、事前にリスクを理解し、信頼できる歯科医を選ぶことが重要です。

以下に、インプラント治療後の主な後悔の要因をまとめました。

後悔の理由	詳細
治療費が高額だった	事前に費用の説明が不十分だった
手術の痛みが予想以上だった	局所麻酔でも痛みを感じることがあった
インプラント周囲炎になった	メンテナンスを怠ったことで炎症が発生した
噛み合わせに違和感がある	インプラントの位置が適切でなかった
メンテナンスが想像以上に大変だった	専門的なクリーニングが必要だった

こうした後悔を防ぐためには、インプラントのメリットだけでなくデメリットやリスクについても理解を深めることが必要です。治療前に十分なカウンセリングを受け、疑問点を解消してから治療を決断することが大切です。

事前に知っておくべきリスクと対策

インプラント治療を受ける前に、いくつかのリスクを把握しておくことが重要です。特に手術に伴うリスクや術後のトラブルを理解し、適切な対策を講じることで、満足度の高い治療結果が得られます。

インプラント手術では、顎骨に人工歯根を埋め込むため、手術時の痛みや腫れ、出血といった症状が出ることがあります。また、顎の骨の状態によっては、骨移植が必要となる場合もあります。このようなケースでは治療期間が長引くことがあり、患者にとって精神的・経済的負担が増す可能性があります。さらに、インプラント周囲炎が発生すると、せっかく埋入したインプラントが脱落するリスクもあります。

以下に、インプラント治療における主なリスクとその対策をまとめました。

リスク	対策
手術時の痛みや腫れ	麻酔の種類を相談し、術後のケアを徹底する
インプラント周囲炎	毎日のブラッシングと歯科医院での定期検診を受ける
骨吸収による脱落	インプラントの噛み合わせを調整し、負担を軽減する
顎の骨が足りない	事前にCT検査を受け、骨移植の可能性を考慮する

これらのリスクを理解し、適切な対策をとることで、インプラント治療の成功率を高めることができます。特に、定期的なメンテナンスはインプラントの寿命を左右する重要な要素となるため、治療後のケアを怠らないことが大切です。

後悔を防ぐためのクリニック選びのポイント

インプラント治療の成功には、歯科医院選びが大きく影響します。適切な設備や経験豊富な歯科医がいるクリニックを選ぶことで、治療の精度を高め、トラブルを防ぐことができます。特に、カウンセリングが充実しており、治療のリスクや費用についてしっかり説明してくれる歯科医院を選ぶことが重要です。

クリニック選びの際に確認すべきポイントとして、まず、インプラント専門の設備が整っているかどうかをチェックしましょう。CTスキャンを用いた精密検査が可能な医院では、顎骨の状態を正確に把握できるため、適切な治療計画を立てることができます。また、歯科医師の実績や資格も重要です。インプラント治療には高度な技術が求められるため、経験豊富な歯科医が在籍している医院を選ぶことが望ましいです。

以下に、インプラント治療を受ける歯科医院選びのポイントをまとめました。

クリニック選びのポイント	詳細
事前カウンセリングの充実	費用やリスクをしっかり説明してくれるか
設備の充実	CTスキャンを完備し、精密検査が可能か
歯科医の経験と実績	インプラントの症例数が豊富か
保証制度の有無	万が一のトラブルに対応できるか
メンテナンス体制	定期検診を実施し、アフターケアが充実しているか

また、口コミや評判も参考になりますが、すべてを鵜呑みにするのではなく、実際にカウンセリングを受けて自分の目で確かめることが大切です。治療後の後悔を防ぐためには、疑問点を事前に解消し、納得のいく歯科医院を選ぶことが不可欠です。信頼できるクリニックを選び、適切な治療を受けることで、インプラント治療に対する満足度を高めることができるでしょう。

インプラントの寿命がきたらどうする？再手術の可能性と選択肢

インプラントがダメになったときの対応策

インプラントは適切なメンテナンスを行うことで長持ちしますが、経年劣化や周囲の健康状態の変化によって寿命を迎えることがあります。その際、どのように対応するかが重要になります。インプラントがダメになった場合の対応策は、大きく分けて「再手術によるインプラントの再埋入」「ブリッジや入れ歯への切り替え」「インプラントの修理・メンテナンス」の3つがあります。

まず、インプラント周囲炎や骨吸収が進行してしまった場合は、問題のあるインプラントを取り外し、新しいインプラントを埋め込む治療が必要になります。ただし、顎の骨が十分でない場合は、骨移植や骨増生手術を併用することが求められます。一方で、周囲の歯や骨の状態が良好であれば、上部構造（人工歯）だけを交換することで再び機能を回復させることが可能です。

また、再手術を避けたい場合や、顎の骨がインプラント治療に適さない場合には、ブリッジや入れ歯といった代替手段を検討することになります。それぞれの対応策のメリット・デメリットを比較すると、以下のようになります。

対応策	メリット	デメリット
インプラント再手術	天然歯に近い咀嚼機能を維持できる	骨移植が必要になることがある
上部構造の交換	手術不要で比較的簡単な処置	インプラント本体がダメなら対応不可
ブリッジ	治療期間が短く、費用を抑えられる	健康な隣接歯を削る必要がある
入れ歯	手術不要で対応できる	装着感や咀嚼能力が低い

このように、インプラントの状態や患者の希望に応じて適切な対応策を選択することが重要になります。

再手術は必要？入れ歯・ブリッジとの比較

インプラントがダメになった場合、再手術を行うべきか、それとも入れ歯やブリッジに切り替えるべきか、多くの人が迷うポイントです。ここでは、それぞれの治療方法を比較し、どの選択肢が最適なのかを考えます。

再手術が必要かどうかは、インプラントの状態や患者の口腔内環境によります。例えば、インプラント周囲炎が進行し、骨吸収が激しい場合は、骨の再生治療を行ってから新しいインプラントを埋め込む必要があります。一方で、インプラント体がしっかりしており、問題が上部構造（人工歯）だけの場合は、上部構造の交換だけで済むことが多いです。

また、入れ歯やブリッジを選択する場合、それぞれの特徴を理解することが重要です。ブリッジは隣接する健康な歯を支えにするため、自然な見た目を保ちつつ、比較的短期間で治療を完了できます。ただし、支台となる歯を削る必要があるため、健康な歯への負担が大きくなる点がデメリットです。一方で、入れ歯は手術不要で治療が可能ですが、装着感や咀嚼能力が低下する可能性があります。

治療法	メリット	デメリット
インプラント再手術	骨がしっかりすれば長期間使用可能	手術が必要で、治療期間が長くなる
ブリッジ	自然な見た目で治療期間が短い	隣接歯への負担が大きい
入れ歯	費用が比較的安く、手術不要	装着感が悪く、ズレることがある

このように、インプラントの寿命がきた場合の選択肢は一つではなく、それぞれにメリット・デメリットがあるため、歯科医とよく相談し、自分のライフスタイルや口腔状態に合った方法を選択することが重要です。

インプラントを長持ちさせるための予防策

インプラントをできるだけ長持ちさせるためには、日頃のメンテナンスが不可欠です。インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病に似た病気にかかるリスクがあります。これは、インプラントの周囲に細菌が繁殖し、炎症を引き起こすことで、最悪の場合インプラントの脱落につながります。

インプラントを長持ちさせるための予防策として、以下の点を意識することが大切です。

まず、日常的な口腔ケアの徹底が基本となります。特に、歯間ブラシやフロスを使い、インプラント周囲の清掃を丁寧に行うことが重要です。また、専用のインプラント用歯ブラシを使用することで、細かい部分の汚れをしっかり落とすことができます。

次に、歯科医院での定期的なメンテナンスを欠かさないことも大切です。通常、3〜6ヶ月ごとの定期検診が推奨されており、歯科医によるクリーニングや咬み合わせのチェックを受けることで、インプラントの状態を維持しやすくなります。

さらに、生活習慣の見直しも欠かせません。特に喫煙はインプラントの寿命を縮める要因となるため、禁煙が推奨されます。また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、ナイトガード（マウスピース）を装着することで、インプラントにかかる負担を軽減できます。

予防策	効果
歯間ブラシ・フロスの使用	プラークを除去し、インプラント周囲炎を予防
定期検診の受診	早期に異常を発見し、適切な処置を行う
禁煙	血流を改善し、骨の健康を維持
ナイトガードの使用	歯ぎしりによる負担を軽減し、インプラントの寿命を延ばす

このように、インプラントを長期間にわたり使用するためには、日々のケアと定期的なメンテナンスが重要です。適切な対策を講じることで、インプラントをできるだけ長持ちさせ、快適な口腔環境を維持することが可能になります。

インプラントの寿命30年は本当？長持ちさせる秘訣

30年以上持つインプラントの条件

インプラントは、適切なケアと条件が整えば30年以上持つことが可能とされています。しかし、すべてのインプラントが長期間使用できるわけではなく、その寿命を左右する要素がいくつかあります。インプラントが長持ちするためには、質の高いインプラント材料、正確な手術技術、適切なメンテナンス、健康的な生活習慣の4つの要素が重要になります。

インプラントの材料として一般的に使用されるチタンは、骨との結合性が高く、長期間の耐久性に優れています。特に、純チタンやチタン合金を使用したインプラントは生体親和性が高く、骨としっかり結合するため、寿命を延ばしやすくなります。また、最近ではジルコニアインプラントも登場しており、金属アレルギーのリスクが低く、審美性にも優れているため、耐久性と美観を両立できる選択肢として注目されています。

インプラントを長持ちさせるための手術技術も重要です。手術の際に適切な埋入位置と角度が考慮されていないと、噛み合わせの負担が偏り、インプラントが抜けやすくなる可能性があります。また、手術時に十分な骨量がない場合は、骨移植や骨造成を行うことで、長期間安定するインプラントの基盤を作ることができます。

また、患者の生活習慣もインプラントの寿命に大きく影響します。例えば、喫煙は血流を悪化させ、インプラント周囲の骨の健康を損ねるため、寿命を縮める要因になります。さらに、歯ぎしりや食いしばりの癖があると、インプラントに過度な負荷がかかり、破損や脱落のリスクが高まるため、ナイトガードの使用が推奨されます。

インプラントの寿命を延ばす条件	詳細
高品質なインプラント材料	チタンやジルコニアが長持ちしやすい
適切な手術技術	骨量を確保し、正しい埋入位置を確保する
健康的な生活習慣	禁煙、歯ぎしりの防止、適切な食生活
定期的なメンテナンス	専門医のチェックとクリーニング

これらの条件を満たすことで、インプラントを30年以上維持することが可能となります。

メンテナンスの重要性と寿命への影響

インプラントを30年以上使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。天然の歯と異なり、インプラント自体は虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎という歯周病のような炎症が発生することがあります。これを予防するためには、日々の口腔ケアと歯科医院での定期検診が必要です。

日常のケアとしては、通常の歯磨きに加え、歯間ブラシやデンタルフロスを使用してインプラント周囲のプラークを徹底的に除去することが重要です。また、インプラント専用の歯ブラシや洗口液を使用することで、さらに清潔な状態を保つことができます。

定期検診の頻度は3〜6ヶ月に一度が理想的とされています。歯科医院では、インプラントの安定性や歯肉の健康状態を確認し、必要に応じて専門的なクリーニングを行います。特に、インプラント周囲炎は初期段階では自覚症状がほとんどないため、歯科医の診断を受けることが重要です。

メンテナンス項目	効果
歯間ブラシ・フロスの使用	インプラント周囲のプラーク除去
インプラント専用歯ブラシ	歯肉への刺激を抑えながら清掃可能
定期検診（3〜6ヶ月ごと）	早期の異常発見、プロによるクリーニング
禁煙	インプラントの周囲骨の健康維持

これらのメンテナンスを怠ると、インプラントの周囲に細菌が繁殖し、骨吸収が進んでしまう可能性があります。最悪の場合、インプラントが脱落し、再手術が必要になるため、継続的なケアを徹底することが大切です。

30年後も健康なインプラントを維持する方法

インプラントを30年、もしくは一生涯使用するためには、長期的な視点でのケアが求められます。日々のセルフケアに加え、生活習慣の改善、定期的な専門的ケアが欠かせません。

まず、咬み合わせの管理が非常に重要です。天然歯と異なり、インプラントは歯根膜を持たないため、咬合力の調整が必要になります。特に、噛み合わせのバランスが悪いと、一部のインプラントに過度な負担がかかり、破損のリスクが高まります。そのため、歯科医による咬合調整を定期的に受けることが推奨されます。

また、全身の健康管理もインプラントの長期維持に影響を与えます。糖尿病や骨粗鬆症などの疾患があると、骨の代謝が悪くなり、インプラントの安定性が低下する可能性があります。したがって、適度な運動やバランスの取れた食生活を心がけることが重要です。

インプラントを長持ちさせる方法	詳細
咬み合わせの調整	負担を分散させ、破損リスクを軽減
定期的な検診とメンテナンス	専門的なクリーニングとチェック
バランスの取れた食生活	骨の健康を維持し、インプラントを支える
ストレス管理	歯ぎしりや食いしばりを防ぐ

さらに、ストレス管理も重要なポイントです。ストレスが溜まると無意識のうちに歯ぎしりをしてしまい、インプラントに過剰な負荷をかけることがあります。このような場合、ナイトガードを使用することで、歯ぎしりの影響を軽減し、インプラントの寿命を延ばすことができます。

このように、適切なセルフケアと専門的ケアの組み合わせにより、インプラントは30年以上使用することが可能です。日々のケアを怠らず、歯科医と協力しながら健康な口腔環境を維持することが、長期的にインプラントを快適に使用するための最も重要なポイントとなります。

インプラントの老後は悲惨？高齢者のインプラント事情

高齢になってからのインプラントトラブルとは？

インプラントは、適切にメンテナンスを行えば長期間使用できる治療法ですが、高齢になるとトラブルが発生しやすくなるケースがあります。特に、骨密度の低下、インプラント周囲炎のリスク、全身疾患の影響、噛み合わせの変化などが主な問題として挙げられます。

高齢になると骨密度が低下し、インプラントを支える顎の骨が弱くなることがあります。特に骨粗鬆症を患っている方は、骨の密度が低いため、インプラントが安定しにくくなる可能性があります。骨量が少ない場合、事前に骨移植や骨造成を行うことで補うことが可能ですが、年齢を重ねるほど骨の再生能力が低下するため、十分な計画が必要です。

また、インプラント周囲炎という感染症が起こることがあります。これは、インプラント周囲の歯ぐきや骨が炎症を起こし、最悪の場合、インプラントが脱落してしまう病気です。加齢に伴い免疫力が低下すると、細菌への抵抗力が弱まり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。

さらに、全身疾患の影響も無視できません。例えば、糖尿病は血流を悪化させるため、インプラントと骨の結合が遅れたり、手術後の回復が遅くなったりすることがあります。また、高血圧や心疾患がある場合、インプラント手術時のリスクが高まるため、事前の医師との相談が重要になります。

インプラントトラブル	詳細
骨密度の低下	骨粗鬆症によりインプラントの安定性が低下
インプラント周囲炎	免疫力の低下により細菌感染のリスクが上昇
全身疾患の影響	糖尿病や高血圧がインプラント治療に悪影響
噛み合わせの変化	加齢により歯の位置や顎関節の状態が変化

こうしたトラブルを防ぐためには、定期的な歯科検診や生活習慣の見直しが欠かせません。

高齢者がインプラントを選ぶメリット・デメリット

高齢者にとってインプラント治療は、機能的にも審美的にも大きなメリットを持ちますが、一方でいくつかのデメリットもあります。それぞれの側面を理解した上で、治療を受けるかどうかを判断することが重要です。

インプラントのメリット インプラントは、天然歯に近い噛み心地を提供し、食事の際のストレスを大幅に軽減します。高齢になると食事の楽しみが重要になりますが、入れ歯では噛む力が弱まり、食事の選択肢が制限されることがあります。その点、インプラントはしっかりと顎の骨に固定されるため、硬い食べ物も問題なく噛むことができるのが特徴です。

また、骨の健康維持にも貢献します。歯を失うと顎の骨が徐々に吸収されてしまうことがありますが、インプラントは骨と直接結合するため、骨の減少を防ぐ役割を果たします。これにより、顔の輪郭が保たれ、老化の進行を遅らせる効果も期待できます。

インプラントのデメリット 一方で、手術が必要になるため、体への負担があることがデメリットです。特に高齢者の場合、全身疾患を持っているケースが多いため、治療前の慎重な検査が求められます。また、インプラントは保険適用外の治療がほとんどであるため、高額な治療費がかかることも考慮しなければなりません。

インプラントのメリット	インプラントのデメリット
天然歯に近い噛み心地を得られる	手術が必要で体への負担がある
入れ歯と違い違和感が少ない	治療費が高額で保険適用外が多い
骨の健康維持に貢献する	治療後のメンテナンスが必須

メリットとデメリットを比較し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

老後もインプラントを維持するために必要なケア

高齢になってもインプラントを長持ちさせるためには、日々のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。特に、歯科医院での定期検診、日常のセルフケア、生活習慣の見直しが重要になります。

歯科医院での定期検診
インプラントの寿命を延ばすためには、3〜6ヶ月に一度の定期検診が推奨されます。歯科医院では、インプラントの状態をチェックし、必要に応じて歯石除去やクリーニングを行います。特に、高齢者はインプラント周囲炎のリスクが高まるため、専門的なケアを受けることが大切です。

日常のセルフケア
自宅でのセルフケアも欠かせません。通常の歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、インプラント周囲の汚れをしっかり取り除くことが重要です。また、インプラント専用の歯磨き粉や洗口液を使用することで、細菌の繁殖を防ぐことができます。

生活習慣の見直し
インプラントを長持ちさせるためには、禁煙が強く推奨されます。喫煙は血流を悪化させ、インプラント周囲の骨の健康を損なうため、長期的な安定性を確保するためには禁煙が不可欠です。また、バランスの取れた食生活を心がけることで、歯と骨の健康を維持することができます。

ケア方法	重要なポイント
定期検診（3〜6ヶ月ごと）	インプラントの状態をチェックし、トラブルを未然に防ぐ
歯間ブラシ・デンタルフロス	インプラント周囲の汚れを除去し、炎症を予防
インプラント専用の歯磨き粉	歯肉を健康に保ち、細菌の繁殖を防ぐ
禁煙	血流を改善し、インプラントの寿命を延ばす
バランスの取れた食生活	骨の健康を維持し、インプラントの安定性を向上

このように、適切なケアを継続することで、高齢になってもインプラントを快適に使い続けることが可能になります。長期的な視点でのメンテナンスを心がけ、健康な口腔環境を維持することが大切です。

まとめ

インプラントは、適切な管理とケアを行うことで、10年以上、さらには30年以上の長期間にわたり機能を維持することが可能です。そのためには、定期的な歯科検診、毎日のオーラルケア、噛み合わせの調整、生活習慣の改善が重要になります。

特に、インプラント周囲炎の予防が長寿命のカギとなるため、デンタルフロスや歯間ブラシを活用し、口腔内を清潔に保つことが求められます。また、噛み合わせの調整やナイトガードの使用により、インプラントにかかる負担を減らし、破損や脱落のリスクを低減できます。

さらに、喫煙や過度な飲酒を控えることも、インプラントの寿命を延ばすために欠かせないポイントです。健康的な口腔環境を維持しながら、インプラントを長く快適に使用できるように意識しましょう。

インプラント治療は決して安価なものではありませんが、適切なケアを行うことで長期間にわたって快適に使用することができます。今回の内容を参考にしながら、日々のケアを意識し、インプラントの寿命を最大限に延ばしていきましょう。

よくある質問

Q. インプラントの寿命はどれくらいですか？本当に30年もつのでしょうか？
A. インプラントの寿命は一般的に10年から30年とされていますが、患者のメンテナンス状況や生活習慣によって異なります。日本歯科医師会の調査によると、10年後のインプラント生存率は約90％、15年後では約85％、20年後でも80％を超えるデータが報告されています。ただし、歯周病の進行や噛み合わせの影響、喫煙などが要因となり、早期にトラブルが発生するケースもあります。適切なメンテナンスを行えば30年以上使用できる可能性も十分ありますが、定期的な検診と歯科医によるチェックが不可欠です。

Q. インプラントと入れ歯、ブリッジではどれが最も長持ちしますか？
A. インプラントは他の治療法と比較して寿命が長く、10年以上持つケースがほとんどです。一方、ブリッジの耐用年数は平均7〜10年、入れ歯は5〜7年程度とされており、定期的な交換が必要になります。さらに、ブリッジや入れ歯は周囲の歯に負担をかけるため、残存歯の健康状態によっては早期に交換が必要になる場合もあります。インプラントは適切なケアを行えば30年以上使用可能であり、周囲の歯を削る必要がないため、長期的にみると最もメリットの多い選択肢といえます。

Q. インプラントを長持ちさせるために必要なメンテナンスは？
A. インプラントを長持ちさせるためには、定期的な歯科検診と適切なセルフケアが欠かせません。歯科医によるメンテナンスは最低でも半年に1回、理想的には3〜4ヶ月に1回受けることで、インプラント周囲炎のリスクを大幅に減らすことができます。また、自宅でのケアでは、専用のデンタルフロスや歯間ブラシを使用し、周囲の汚れをしっかり除去することが重要です。喫煙はインプラントの寿命を縮める最大の要因の一つであるため、可能な限り禁煙することをおすすめします。

医院概要

医院名・・・きらり大森歯科
所在地・・・〒143-0016 東京都大田区大森北1-17-13 Acn大森駅前ビル1F2F
電話番号・・・03-5763-5659